ミクロ吸盤とは

自己吸着 ~糊(のり)を使わず、物理的に吸着させる素材~

ミクロ吸盤®はミクロンサイズの小さな吸盤の集合体です。
その開発は従来の粘着フィルム(シール・タック紙)の「一度貼ると剥がすのにたいへん苦労をする」という不都合を解消することからはじまりました。背面粘着層(糊)の代わりに、微小な気泡を含む特殊薄膜吸盤層をシートにコーティングすることにより、糊を使わずとも簡単に貼り剥がしのできる画期的な吸着シート、自己吸着印刷用メディアとして第一歩を踏み出しました。
原理は汎用吸盤に似ており、一般的な吸盤と同様に剥離後の再使用が可能です。貼りたい場所に押し当てるだけで、無数の孔が真空に近い状態となり被着体と密着します。構造上、抜気性に優れ、施工時の失敗がありません。また、糊を使っていないため剥がす際に被着体を汚すこともありません。ミクロ吸盤を用いたメディアは従来の粘着フィルムの多くの欠点を解消したのです。
ミクロ吸盤はこうした差別化を図ることのできるマテリアルであり、グラフィック広告用途に留まらず、他製品と組合せることにより、それらに機能性を付加(吸盤化)し、新たな価値を生み出すことができます。

ミクロ吸盤🄬の拡大イメージ図

粘着(糊)素材との実製品上の違い ~エアー抜けとフィット感を両立~

たとえば従来のフィルムマーキング(カッティングシート)等では、作業の習熟に時間が掛かり、貼り損じの惧れや、また既設フィルム(既に貼ってある広告等)を剥がさなければ作業ができない等、実に多くの煩雑さが伴いました。ミクロ吸盤フィルムならこうした心配は無用です。従来のタック紙のように空気が残る失敗がなく、水貼り等の手間がかかりません。専門職でなくとも簡単に施工ができるのです。誰でも簡単に施工、失敗しても貼り直せる、不要になったらきれいに剥がすことができる。もちろん、剥がした後もミクロ吸盤フィルムは繰り返し使えます。

中に空気が残る失敗がありません
エアーが残らない、きれいに剝がせる・繰り返し使える、ずれない・滑らない

ミクロ吸盤原理概要 ~ずれない、滑らない、きちんと剥せる~

ミクロ吸盤は、1平方センチメートルあたり約1万個の微細孔を安定的に並べることで吸盤(吸着)機能を生み出します。ひとつの吸盤はおよそ5~50μほどで(仕様により異なります)、肉眼では見ることが出来ません。
市販の汎用吸盤ではひとつの筐体での吸着作用のため外部衝撃により剥落することがありますが、ミクロ吸盤ではこれら無数の微細孔それぞれが吸盤の役割を果たし、全体として面で支えることにより非常に強力な吸着効果を生み出します。
吸盤の特徴として、垂直方向には容易に剥がせ、水平方向の引張強度には頗る威力を発揮します。つまり、必要な時には剥がしやすく、貼付した状態ではズレ落ちないということです。また、弊社独自の軟加工技術により、平滑面はもとより一定の凹凸面への吸着をも可能とします。熱に強く、摂氏80℃までの吸着、200℃の耐熱性を有します。

実製品 ~アイデア次第で応用できる素材~

ミクロ吸盤は、現在、主にふたつの分野で製品として使われています。
ひとつは印刷を主体にしたグラフィック広告メディア、もうひとつは装飾目的を主体とした他素材との貼り合せ用基材です。前者は、原状回復を踏まえた施工の簡便さ、後者は、扱い易さや他製品との差別化など、ミクロ吸盤ならではの特徴が評価され引合いをいただいています。

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